ART-SCHOOL 5/8@LOOK

5/8千葉Look。オリジナルメンバーがふたりいるART-SCHOOLの最後のライブ、見届けに行きました。
前座が終わったころ入場したので、中はもう人がパンパン。
正直行って、アンコールでドリンクを貰いに行くまでメンバーの顔すらまともに観れなかった。

だから、ようするに本編はずっと音だけを聴いていた。
それで感じられたのは、今までのどのライブより、メンバー一人一人が「丁寧に演奏しようとしていた」ことと、何よりも1音1音の重みが違ったことだ。
だからと言って、やはりミスするところもあったし、所詮ART-SCHOOLだ、特別演奏が上手かったわけじゃない。ライブハウス自体のの音だって良くなかった。
それでもそう感じたのは、私が今まで観てきたライブの中で、彼らがお客さんに伝えたいものとか、自分たち自身にも響かせるための想いが何より大きかったからではないかと思う。

こんばんは、ART-SCHOOLといいます―――

木下の第一声を聴いて、私は安心した。
とても穏やかな声だったから。自分たちで決断したことを、しっかり受け入れられているんだろうと思った。
途中のMCでは、桜井さんとの想い出話をしようとも、9年間というのはあまりにも長くていろいろありすぎたようで、木下が19歳、桜井さんが26歳の時にお互いが出会い、当時桜井さんはロン毛だった、という話しかできず、最終的にサッカーの話をしていた笑。
それくらい、さわやかで、穏やかなライブだったのだ。
自分たちの過去の混沌への別れと、今後への覚悟と自信、、それが同時に感じられた。とても前向きだった。

「ジェニファー'88」では、戸高くんは泣いていたようだった。
確かにイントロのギターをかき鳴らす音は、すごく熱かった。
2度目のアンコールで、木下は「桜井くん、ありがとう。」と言った。そして「ニーナの為に」が始まった。
木下め!なんてずるいヤツなんだ!と思いながら私の眼は涙でいっぱいになった。

3度目のアンコールなんて、やらないと思った。むしろもうそんなにダラダラやられたら悲しくなってしまうからやらなくていいよ、とさえ思った。
でも、「Lookさんごめんなさい!」と言って彼らは力いっぱい「BOY MEETS GIRL」の演奏を始めた。
あぁ、この曲が最後なのか、と、驚いたと同時に、今後のART-SCHOOLというバンドを、何としてでも見守らねば、と思った。
私はメンバー一人一人のことなんて知らないし、興味もない。だから、人として信頼なんてできない。
だけど、彼らの鳴らす音だけは、メロディは、世界観は、どのバンド、どのミュージシャンよりも信頼できる。
根拠はない。でも、「BOY MEETS GIRL」を聴いて、改めてそう思えたのだった。

ART-SCHOOLが、あんなにキラキラしていると思えたのは初めてだった。
キラキラして、熱くて、いらないものを捨てる覚悟ができて、もう捨ててきた後のような、そんな雰囲気だった。
5年前、メンバーが2人も脱退するという、事件と言ってもいいような出来事があったにもかかわらず、桜井さんの「俺は続けたい」という一言で、ART-SCHOOLは続行され、新メンバー加入後グラグラしながらも、やっと今現在までたどり着いた。
たぶん、今だからこんなに穏やかでキラキラしたライブができたのだろうと思う。
きっと5年前のオリジナルメンバー4人での最後のライブは、もっと空気が重苦しくて混沌としていたのではないかと思った。
桜井さんは、だからこそ、脱退の決心がついたのかもしれない。今の3人になら任せられると、そう思ったのかもしれない。

そもそも桜井さんから脱退を表意されたのは去年の夏だというから、ベストアルバムを出したのは、本当に意図的なものだったのだな、と思った。

これを書いている今はすごく晴れ晴れとした気分で、悲しみはない。まだ、実感がないというのが事実だから。
だけど、今後、桜井さんがいない、彼の音がないART-SCHOOLを観たり、聴いたりしたとき、初めて本当に悲しい気持ちになるのだろうと感じた。

以前も書いたけれど、今回のこの、桜井さんの脱退は、本人、メンバー全員が納得したからこそ決定したものだ。
これで離れていくファンもいるということは、彼らは十分に理解したうえだ。
それでもこの結果に決定したのだ。だから、私は彼らを信じるしかない。
いい曲ができなかったらそれを聴かない、というのはほかのアーティストに対してだって同じだから、とにかく私は、前向きな気持ちで彼らの今後の活動を静かに見守るつもりだ。
ライブはもう少し落ち着いた頃に行こうと思う。


、、、とまぁ、長くなってしまったけれど、私が書けることは、こんな駄文くらいでしょう。


桜井さん、ありがとー!私はアンタのドラムが大好きだ!
アンタみたいな人を縁の下の力持ちって言うんだろうな〜、ふふふ。



○セットリスト○

01.水の中のナイフ
02.NEGATIVE
03.夜の子供たち
04.DIVA
05.ガラスの墓標
06.エイジ オブ イノセンス
07.プール
08.MISS WORLD
09.BLACK SUNSHINE
10.乾いた花
11.foolish
12.スカーレット
13.カノン
14.LOVE/HATE
15.OUT OF THE BLUE
16.サッドマシーン
17.ジェニファー'88
18.あと10秒で
19.UNDER MY SKIN
20.フリージア

E.1
21.汚れた血
22.斜陽
23.OUTSIDER
24.FADE TO BLACK
25.SWAN SONG

E.2
26.ニーナの為に
27.ロリータ キルズ ミー

E.3
28.BOY MEETS GIRL